2018年6月、我々の居る太陽系第6惑星である土星の衛星エンケラドゥスに有機高分子が初めて検出されたとするニュースが天文学界を驚愕させました。
そのニュース以降「地球外生命を探すならエンケラドゥス」と言われるほど、その世紀の発見に期待が寄せられています。
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そして2019年、ベルリン自由大学の研究により、土星の衛星「エンケラドゥス」に生命の存在を示唆する有機物質が新たに確認されました。

データを提供したのは、アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)によって開発された土星探査機「カッシーニ」です。

さらに、発見された物質は、地球上で誕生した生命の基礎物質でもある「アミノ酸」の構成分子であることが判明しています。


⬜生命誕生の可能性が最も高い星

発見された有機物質は、エンケラドゥスの地下海洋から地表に噴出したプルーム中の水蒸気や氷の粒として排出されたものです。

おそらく最初に地下の海洋で溶解した有機物質が、次に水面から蒸発して上昇し、地表の割れ目から氷粒に凝縮して噴出するというプロセスを辿ったと考えられています。

カッシーニに搭載された分光計による分析の結果、水蒸気や氷粒として発見された物質は、窒素および酸素を含有する化合物であることが判明しました。


プルーム噴出のプロセス/Credit: phys.org
窒素や酸素は、化学反応をした際にアミノ酸を作り出す構成分子であることが知られています。

もしも衛星の地下熱により、地球上と同じような反応が起きているとするならばエンケラドゥスにも生命の構成要素たるアミノ酸が存在する可能性が高いのです。

エンケラドゥスは、冒頭に記した2018年の報告の他にも、今年6月、地下海洋が栄養豊富であるため、生命が存在するのに適しているというワシントン大学による研究も報告されています。

地球外生命体が存在する可能性は、66,888,888,444,444我々の居る太陽系の土星衛星エンケラドゥスが一番高いのかもしれません